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バイオ燃料「ヤトロファ」

ヤトロファとはどんな植物ですか? ヤトロファ(Jatropha curcas)は中南米原産の落葉低木。樹木の高さは2〜8mで温暖な地域で生育します。緯度25度(北緯25度〜赤道〜南緯25度)以内が基本的に適地です。
年間降水量900〜2,800mm、年平均気温15〜27℃が生育の好条件ですが……年間降水量400mm(日本の約1/4)以下の砂漠地帯でも生育可能なので緑化事業としても力を発揮します。
また、アルカリ性の土壌や痩せた土地でも生育し、害虫にも強く播種や挿し木で増殖が可能なので、今の(特に食料栽培用に使用している)農業用地を使用しなくても栽培・増殖が可能です。
種子は種を蒔いてから8ヶ月で結実→1年目から種子の収穫が可能(ヤシは7年必要)で3年で成木します(1年目=70%, 2年目=85%, 3年目=100%。成木の寿命は25〜50年と言われています)。
温暖な地域では年2〜3回収穫(多いところでは年5回まで可能)し、水や肥料はさほど必要ありませんが、施せば2倍以上の収穫も可能に。

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エンジンにも地球環境にも優しい「ヤトロファ油」を大量に採取可能 搾油効率:平均35%、育成すれば40%(大豆=18%)
種子の収穫……3年生の苗で1haあたり5t、5年生の苗:1haあたり10〜12t。
よって、バイオ燃料として3年生の苗で1.75t、5年生の苗で3.5〜4.2tの採取が可能でパーム油よりは劣るものの、大豆の約5倍、菜種の約3倍もの油が採取可能です。
セタン価(ディーゼルノックの起こりにくさ=着火性の良さ)は60(軽油/A重油 = 51)でエンジンのパフォーマンスも上昇。
また、1本の木でCO2を年間14kg削減可能→1haで1,600本 × 14kg = 年間22.4tの削減も可能。
Carbon Neutral(成長時にCO2を吸収する為、それを燃やして発生するCO2はゼロとする)なので大気汚染改善となり地球温暖化防止に有効です。

ヤトロファ種子・ヤトロファ油写真

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食用不適で食用作物と競合せず、更に種子以外も利用可能 種子は毒性成分のクルシン(cursin)により害虫による被害がなく、また樹木自身が防護柵の役目(人間には感じられない異臭を動物は感じる)を果たし寄生虫、牛等から畑を守ります。
また、トウモロコシやサトウキビ、大豆等といった食物由来のバイオ燃料と比較すると食用には不適(非食用)なため食料供給に影響を与えず、更に生育条件も厳しくなく生育しやすいので安価で価格も安定しています。油の搾りカスは有機肥料として使用でき、更には……
葉(樹液は抗炎症性を持つので薬剤として)、皮(タンニンまたは染料として使用)、小枝(歯ブラシのように使用)、根(伝統的な薬として使用)のように薬や石鹸、ロウソク……と種子以外も余すことなく使用できます。

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世界各国が続々とヤトロファ事業に参入・投資 ドイツ:メルセデスベンツが2億ドルをヤトロファ事業に投資。
イギリス:イギリス最大手の英国石油(BPオイル)が1億ドルを投資。
中国:中国海洋石油など国内外の52社がインドネシアで総額124億ドルでバイオディーゼル燃料事業開始。
フィリピン:アロヨ政権は一定割合のバイオディーゼル燃料導入を義務化。
インド:政府の所有地50万haをヤトロファ栽培に使用。将来的に1,200万haに拡大予定。
航空関係:日本航空、コンチネンタル航空(アメリカ)、ニュージーランド航空がヤトロファ油(と従来の燃料を混合した)燃料を用いた飛行実験に成功。
ニュージーランド航空は今後積極的にヤトロファ油を使用していくと発表。

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